時効撤廃、スピード審議に疑問の声…遺族は歓迎(読売新聞)

 長引く未解決事件に苦しむ被害者遺族らの願いがかなった。

 殺人などの刑事事件の公訴時効を廃止・延長する改正刑事訴訟法が27日午後に衆院本会議で成立し、即日施行の方向で調整が進んでいる。時効成立が近づいていた事件の遺族は「予想以上に早い実現」と歓迎するが、1か月足らずのスピード審議を疑問視する声も出ている。

 改正案が参院で審議入りしたのは4月1日。法務委員会の委員からは「時間をかけて議論すべきだ」との声が上がった。〈1〉時効が成立していない過去の事件にもさかのぼって適用するのか〈2〉時効の廃止・延長で捜査機関の負担が増す懸念はないのか――など、重要な論点があったからだ。

 過去の事件への適用については、委員から「憲法上問題がある」との指摘が出た。「100年以上たっても捜査本部を置いて記録を保管し続けるのか」と発言する委員もいた。それでも、審議入りからわずか1か月弱しかかからなかった。

 今回の改正法は、自公政権の時に法務省内の勉強会がまとめた案に沿ったもので、野党時代の民主党は時効の廃止・延長に慎重だった。今回、民主党は早期成立を目指し、自民党も審議を延ばさなかった。ある法務省幹部は「審議に時間がかかれば、次々と時効が完成する事件が出てくる。参院選に向けて、民主党は早期成立を手柄にしようとし、自民党は失点しないようにしたのだろう」と語る。

 「国会での論議に時間がかかるのではないかと思っていたので率直にうれしい」。2000年12月の東京・世田谷一家殺害事件で亡くなった宮沢泰子さん(当時41歳)の姉、入江杏さん(52)は語る。

 時効撤廃などを訴える運動のさなか、「被害者だからと言って大きな顔をするな」といった中傷も浴びた。「早期成立は世論の後押しがあったから」と喜び、「時効が延びたからといって捜査がいたずらに長引いては意味がない。やはり早期解決を」と望む。

 1999年11月、名古屋市西区の自宅で何者かに妻の奈美子さん(当時32歳)を殺害された高羽悟さん(53)は、過去の事件に今回の見直しを適用するのは難しいのではないかと思っていたという。それだけに「予想以上に早く念願がかなった」と、事件解決につながることを期待する。

 「全国犯罪被害者の会」代表幹事の岡村勲弁護士は「(時効見直しを)心から歓迎する。1日でも早く、施行されることを期待する」とのコメントを発表した。

 一方、日本弁護士連合会の山下幸夫・刑事法制委員会事務局長代行は「近く時効を迎える事件のために法制度全体の改正を急ぐのはおかしい」と、不満をあらわにした。日弁連が特に問題視していたのは、過去の事件にも今回の見直しを適用するという点で、山下弁護士は「憲法学者らも呼んで意見を聞くべきだった」と批判している。

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